【書評】結果を出すのに必要なまわりを巻き込む技術
■タイトル: 結果を出すのに必要なまわりを巻き込む技術
■著者:小林 正典
■ジャンル:マーケティング
■概要:商品やサービスが売れない時代に、
『チーザ』『クラッツ』『バトンドール』と次々とヒット商品を生み出し、
現在は国民的お菓子である「ポッキー」など、
同社のチョコレート部門の責任者を務める小林氏。
苦悩のなかで同氏が気づいた「ヒットは1人では生み出せない」という考え方は、商品(サービス)開発に従事する人だけなく、業に所属し、結果を求められる人すべてに共通するもの。
本書は、小林流の「まわりを巻き込むことで結果を出す」方法を紹介する一冊。
■ひと言:マーケティングの本と思って読んだものの、どちらかというと組織をどのように同じ方向にもっていくかという観点が多い内容であった。
その点では、組織論でもあると言える。
森岡氏のほんにあった通り、マーケティングは組織論が重要という考えがあるが、小林氏もグリコでのマーケティングとして働く中で、無意識に同じ考えに至ったのではないかと推測する。
マーケティングの成功は、顧客を動かす前に、自社組織を動かすことができなければ、成功はないのかもしれない。
【書評】自分の小さな「箱」から脱出する方法
■タイトル: 自分の小さな「箱」から脱出する方法
■著者:アービンジャー インスティチュート
■ジャンル:自己研鑽
■概要:身の周りの人間関係はすべて自分が原因で引き起こしている。
それこそが、本書のいう「箱に入っている状態」である。
「どうして彼は問題ばかり起こすのか?」
「なぜパートナーは勝手なことばかり言いだすのか?」
こうした問題を、私たちは「相手の問題」と考えがちだが、本当の問題は「自分」にある。
読み進めるうちに、家庭や職場での人間関係を深め、十分な成果を出す環境を作る方法を学べる。
世界的ベストセラーであり、日本でも25万人が読んで大反響を巻き起こした名著。
■ひと言:こういう思考を常に持てれば、器が大きい人なのだろうと感じた。
なるべく一喜一憂しないで、自分を客観視することで感情に左右されないようにと思っていたものの、この本の思考はもっと上を言っていた感覚がした。
ここまで行ったら仙人の領域すぎて、人間味が失われるのではないかと思った。
要はバランスが重要だろ!と思った一冊でもあった
【書評】モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
■タイトル: モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
■著者:ダニエル・ピンク 、 大前 研一
■ジャンル:自己研鑽
■概要:〈モチベーション3.0〉とは何か?
コンピューター同様、社会にも人を動かすための基本ソフト(OS)がある。
〈モチベーション1.0〉…生存(サバイバル)を目的としていた人類最初のOS 。
〈モチベーション2.0〉…アメとムチ=信賞必罰に基づく与えられた動機づけによるOS。ルーチンワーク中心の時代には有効だったが、21世紀を迎えて機能不全に陥る。
〈モチベーション3.0〉…自分の内面から湧き出る「やる気!=ドライブ!」に基づくOS。活気ある社会や組織をつくるための新しい「やる気!」の基本形。
20世紀の半ば、数人の科学者が、人間には従来とは異なる動機づけもある、と主張するようになった――いわゆる「内発的動機づけ」だ。その後数十年の間、行動科学者はその原動力を解明し効能を説明してきたが、残念なことにビジネスの世界はこの新たな認識を十分に生かしきれていない。組織を強化し、人生を高め、よりよい世界を作るべく、ダニエル・ピンクが科学の知識とビジネスの現場の間に横たわるギャップを埋めた意欲作。
■ひと言:モチベーションもって仕事するって何だろう?と悩んでいるときにパートナーから勧められた一冊。
自分のモチベーションを上げるというよりも、現在の後輩たちをどうやって動機づけるかが学べた。
過去の飴と鞭は通じなくなってきており、目的性・自律性・成長性を促すことが大事になっている。
これを読んでからは後輩との関係性は、上司と部下の関係性よりも、親と子の様な感覚でいないと駄目なのではないかと感じ、そういう感じでやっていると案外しっくり物事が回っている気がする。
【書評】影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
あなたの行動、誰かに動かさせられていますよ!
影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか [ ロバート・B・チャルディーニ ] 価格:2,970円 |
■タイトル: 影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
■著者:ロバート・B・チャルディーニ、 社会行動研究会
■ジャンル:マーケティング
■要約:人が無意識に受けてしまう影響力について、記載されている。具体的には、以下の6つの点である。
①返報性の原則
何かしてもらったら、恩返ししたくなりますよね
②コミットメントと一貫性
一回行ったことは守らなければという気になりますよね
③社会的証明
大多数の意見に流されがちですよね
④権威
コンサルタントとかから何か言われると、無条件で受け入れがちですよね
⑤好意
好きなアイドルが持っているものを欲しくなりますよね
⑥希少性
限定とあると買いたくなりますよね
このように、普段無意識に動く感情は、影響力の武器を使いこなす、誰かが意図的に操作しているのです。
■ひと言:分厚いし文字数多めのため、結構読むのは大変。
でもめちゃくちゃ学びがあった。
この本を読むと、今までの自分の無意識の行動に腹が立つ気分で、いつかは影響力の武器を使いこなす方になってやろうという気になる。
人間の本質をを知るのに有用であり、人間もしょせん動物なんだと痛感した・・
きっとこれを使いこなせれれば、人を意図した状況に行動させることは容易なんだろうと思うので、何回も読んで身に着けたいと思う。
この本は商売をする人すべてに読んで欲しい(もはや自分だけのものにしたため、多くの人には読んで欲しくない)
【書評】コーポレートファイナンス 戦略と実践
あなたの会社はどのようなキャラクターですか?
価格:2,860円 |
■タイトル: コーポレートファイナンス 戦略と実践
■著者:田中慎一
■ジャンル:会計・ファイナンス
■要約:実践的なファイナンスの実務について記載されている。
大きく3つの構成になっている。
一つ目は、ファイナンスに必要な会計の説明である。ここでいう会計では、企業のキャラクター分析を行う。ROICツリーと呼ばれる分析方法により、企業の強身弱みを明らかにしている。
二つ目はDCFやバリュエーションの方法の具体例を用いた説明である。ここでは、より詳細にどのように買収価格の決定に至るかまで、ケーススタディ形式で説明が行われいる。
三つ目は、IRなどを通じた投資家との対話の方法の説明である。投資家がどのような目線を持っているかという視点から最適な対話の方法を記載している。
■ひと言:よくあるファイナンス本の「やり方はわかるけど、実務での活かし方がわからない」というもやもやを解決してくれる一冊と言える。
個人的にはROICツリーによるキャラクター分析が簡易で会社の特徴を視覚化できる点は、実務にも生かせると思った。
ベンチャー投資の担当者や、買収を考えている担当者は実務の流れを知るうえで良書だと思う。
ファイナンスの初心者には少し、難しすぎる内容かも・・
【書評】スポーツビジネスの教科書 常識の超え方 35歳球団社長の経営メソッド
横浜スタジアムが満員の理由がここにある
スポーツビジネスの教科書 常識の超え方 35歳球団社長の経営メソッド [ 池田 純 ] 価格:1,650円 |
■タイトル: スポーツビジネスの教科書 常識の超え方 35歳球団社長の経営メソッド
■著者:池田純
■ジャンル:趣味
■概要:ベイスターズを5年で再生させた史上最年少球団社長が明かすマネジメントの極意を明かす。
本書では、筆者は球団経営はすべてのビジネスに通じると説き、再現性のあるビジネスモデルを以下の点から解説している。
◇顧客心理を読む【マーケティング】
◇「本物」の商品を生み出す【デザイン】と【センス】
◇【コミュニケーション】と【ブランディング】の極意
◇東京五輪とスポーツの成長産業化の未来図
■ひと言:DeNAベイスターズが満員のスタジアムになるまでのストーリーが描かれている。
スポーツビジネスはスポーツ経験者が社長などをやっていることが多いが、違う畑からの異動であった筆者が成功に導いた点は、いつかスポーツビジネスを経営したいという点で非常にポジティブであった。
すべてのビジネスに通じるとあるが、どちらかというと普通のビジネスの当たり前がスポーツビジネスにいても通用するという方が正しい解釈ではないかと思った。
【書評】起業の科学 スタートアップサイエンス
あなたのサービスは、顧客の課題を解決するものですか?
価格:2,530円 |
■タイトル: 起業の科学 スタートアップサイエンス
■著者:田所雅之
■ジャンル:起業
■要約:スタートアップについて成功確率を高めるため過去の失敗例を例示している。
この本では、スタートアップはスモールビジネスとは異なり、いわゆるイノベーションを起こす会社のことと定義している。
失敗する多くのスタートアップは、自分たちで解決できる範囲内のソリューションのみの提示であり、「自分たちが作りたいから作る」の発想が多い。
スタートアップの成功に重要な点は、「本当に課題が存在しているのか」であり、これを解決するためのソリューションの提示が必要になる。
■ひと言:ベンチャー会社を担当しているころに、めちゃくちゃすごいアイディアなのにスケールしていかないというケースがあった。これは本書にもあるように、タイミングが時代とマッチングしていなかったわけである(まだ市場がそのアイディアを求めていなかった)。
このように、特にスタートアップでは、自分のアイディアを疑わない傾向にあるため、スタートアップを始める前のマインドセットの構築という点で是非読んで欲しい。
スタートアップ以外にも新規事業担当者には思考の整理に有用な一冊である。